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News Release

アジア経済が混迷する中、シンガポールと中国が国際競争力の順位を上げる

Kai Bucher, Associate Director, Media, Tel.: +41 (0)22 869 1290; kai.bucher@weforum.org

  • シンガポール、国際競争力指数でスイスに次ぐ2位に
  • 中国、引き続き順位を伸ばし26位に、日本、韓国、台湾、香港、シンガポール、マレーシアは、142ヵ国中トップ30位にランクイン
  • 改革の遅れや投資不足により、インドネシアやインドなど発展途上のアジア諸国の競争力が停滞
  • 3年連続で順位を下げている米国は、さらに1ランク順位を下げて5位に
  • 新興諸国、引き続きOECD諸国との競争力の差を縮める
  • 142の国と地域の情報、注目点、順位などレポートの全文は、http://www.weforum.org/gcr からダウンロードできます
  • 今年度のレポート結果に関するビデオインタビュー をご覧ください

The Global Competitiveness Report 2011-2012201197日、スイス、ジュネーブ – 世界経済フォーラムは本日、「国際競争力レポート20112012」を発表しました。シンガポールがスウェーデンを抜いて2位となり、スイスは3年連続で首位の座をキープしています。引き続き順位を伸ばしている中国は26位となり、他のBRICS諸国を大きく引き離しています。日本(9位)は3ランク順位を下げたものの、トップ10にランクインしています。香港は11位、台湾は13位、マレーシアは5ランク順位を上げて、オーストラリアに次ぐ21位に浮上しました。このように、トップ30に入るアジア諸国は増えているものの、発展途上のアジア諸国で近年見られた目覚しい競争力の伸びは、やや鈍化しています。インドネシア(46位)、インド(56位)、ベトナム(65位)を含む一部のアジア諸国は、成長力を維持するのに必要な改革と投資があまりにも遅れているという懸念が高まり、順位を上げることができませんでした。

3年連続で順位を下げている米国は、さらに1ランク順位を下げて5位になりました。マクロ経済情勢が引き続き不安定であることに加え、ビジネスリーダーの間では米国の制度的環境の一部への懸念が高まっています。特に、政治家が国民の信頼を得ていないことや、政府の動きの鈍さに対する懸念がその要因です。明るい材料としては、銀行と金融機関が金融危機以来初めて回復傾向にあり、やや経営が健全化し効率性が高まったと評価されている点が挙げられます。

ユーロ圏では、ドイツが1ランク順位を落とし6位となったものの、ユーロ圏の中では高い地位を保っています。オランダは1ランク順位を上げて7位に、フランスは1ランク順位を下げて18位になりました。順位を下げ続けているギリシャは90位でした。競争力強化を目指した改革こそが、ユーロ圏における成長回復、そして主要課題、財政再建、失業率問題に取り組む上で、鍵となるでしょう。

レポート結果では、先進国経済の競争力が過去7年間停滞している一方で、より安定した成長と、経済活動が先進国から新興諸国へとシフトしたことが反映され、多くの新興諸国で競争力が伸びていることが明らかになりました。

中国(26位)は、他の発展途上国を引き続き先導しており、1ランク順位を上げてトップ30の地位を固めました。中国以外のBRICS諸国は、南アフリカ(50位)とブラジル(53位)が順位を上げた一方、インド(56位)とロシア(66位)はわずかに順位を下げました。一部のアジア諸国は高い競争力を維持しており、日本(9位)と香港(11位)はトップ20に留まっています。

The Global Competitiveness Index 2011-2012 Top10国際競争力ランキングの詳細をダウンロードPDFまたはExcelフォーマット)

中東では、カタール(14位)がトップ20の地位を固め、サウジアラビア(17位)が初めてトップ20にランクインしました。次いで、イスラエル(22位)、アラブ首長国連邦(27位)、クウェート(34位)、バーレーン(37位)となっています。湾岸諸国の大半が近年の上昇基調を維持しています。サハラ以南のアフリカ諸国では、南アフリカ(50位)とモーリシャス(54位)が上位半分にランクインし、二番手として同地域で最も成長を遂げたルワンダ(70位)、ボツワナ(80位)、ナミビア(83位)と続いています。中南米諸国では、チリ(31位)がリードを保ち、パナマ(49位)、ブラジル(53位)、メキシコ(58位)、ペルー(67位)などの多くの国々の競争力が伸びています。レポートの概要はこちらをご覧ください。

世界経済フォーラムの創設者兼会長であるクラウス・シュワブ氏は次のように述べています。「数年にわたり困難な状況が続いてきましたが、世界的にはあまり均等とは言えないものの、徐々に経済危機からの回復傾向が見てとれます。過熱リスクは伴うものの、発展途上国の大半では比較的高い成長が見られます。一方、先進国の回復は緩やかで、失業率は依然として高く、財政は不安定で、回復の先行きは不透明な状態です。今日の複雑な世界経済環境は、包括性や環境維持などの概念を統合し、求められているものと実際に作用するものの全体像をつかみ、質的にも量的にも経済成長の状況を認識し促進することが今まで以上に重要であることを示しています。」

レポートの共同執筆者である米国コロンビア大学のザビエル・サラ=イ=マーティン経済学部教授は次のように述べています。「世界経済の見通しへの懸念が再燃する中で、政策立案者は長期的な競争力を維持するための根本を忘れてはなりません。より安定した回復を目指すため、発展途上国および新興国は、生産性の強化に基づく成長を確保する必要があります。財政的課題や成長の停滞に悩む先進国の多くは、成長を好循環させ、安定した経済回復を確保するため、競争力の強化に注力する必要があります。」

国際競争力レポートの競争力ランキングは、サラ=イ=マーティン教授が世界経済フォーラムのために開発し、2004年に導入された、国際競争力指数(GCI)に基づいています。GCIは競争力を12の柱に分類し、あらゆる発展段階にある世界中の国々の競争力を包括的に捉えています。12の柱は制度、インフラ、マクロ経済環境、保健衛生および初等教育、高等教育および職業訓練、商品市場効率、労働市場効率、金融市場の成熟度、技術発展、市場規模、ビジネスの先進度、技術革新で構成されています。

順位は公表されているデータに加え、提携機関のネットワークと世界経済フォーラムが共同で実施する年に1度の総合的な経営者意見調査に基づいて算出されています。 本年度は14,000人以上のビジネスリーダーを対象に、過去最高となる142ヵ国で実施されました。 調査の目的は、各国の経済に影響を与える様々な要因を特定することです。

レポートには調査対象となった142ヵ国それぞれに関する詳細情報を盛り込んだ広範なデータ項目が含まれており、ランキングの総合順位のほか、110を超える指標のグローバルランキングを定めたデータ表が記載されています。

また、本年度のレポートでは、特定地域とトピックに関する考察も掲載しています。これには、競争力に基づいた債務危機の影響に関する分析、中南米諸国におけるイノベーションの課題に関するレビュー、サハラ以南のアフリカ諸国における競争力の傾向と今後の展望が含まれます。また、レポートには世界経済フォーラムの予備研究を特集した章もあります。この章では、持続可能性の概念をより詳細に競争力向上の研究へ統合することを目的としています。

編集者注記

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