未来の世界への備え:企業ができる3つの方法

スマートシティでは行政がデータを利用して、交通から廃棄物管理まであらゆる管理を行うことができるでしょう
スマートシティでは行政がデータを利用して、交通から廃棄物管理まであらゆる管理を行うことができるでしょうImage: 画像:ロイター/Tobias Schwarz

この記事は、世界経済フォーラムの年次総会の一部です。

2030年や2050年の世界はどうなっているでしょうか。正確に予測することはできませんが、想像することがその実現につながります。世界の変化の速度は加速し続け、相関性はますます強まっています。こうした状況下では、顧客を相手とするすべての産業組織の前提条件について再考する必要があります。まったく異なる未来に備える時なのです。

未来とはどのような世界でしょうか。私たちは正確には分かりませんが、その方向性を確認することはできます。私たちは、行政が電子機器やセンサーからデータを収集し、交通や輸送から廃棄物処理まで、あらゆるものを管理するスマートシティに住み、働いているかもしれません。人工知能(AI)が私たちに必要な栄養素を予測し、冷蔵庫が人間に代わって定期的に食品を注文するかもしれません。AIは健康診断を改善し、医薬品開発を加速化させAIは健康診断を改善し、医薬品開発を加速させ、私たちは病気の予防をより重要視することになるかもしれません。私たちの生活様式が進化するなかで、消費財、健康、テクノロジー、支払業を取り扱う企業はより緊密に協働し、また政府とも連携することが求められるでしょう。

過去数世紀にわたり、破壊的なイノベーションは生活水準を長期にわたり向上させてきました。企業や政府はイノベーションによってもたらされる経済成長を促進する多大な機会を得てきました。これからの世界に向けて、私たちは今、どのような準備ができるのでしょうか。

1.未来を想像

そのような大きな変革のなかを前進していくためには、多様な知識や多岐にわたる専門性、そして想像力を結集させ、テクノロジーや社会の発展によりもたらされる難題に対処しなければなりません。

例えば、アーンスト・ヤング(EY)が実施する調査のフューチャー・コンシューマー・ドット・ナウでは、150の変化の促進要因を調査し、企業が創出し獲得する価値を変革する影響力について、8つの仮説を立てています。世界中の都市で開催する「ハッカソン・スタイル」のワークショップには、企業や未来志向の参加者が一堂に会し、15種類の「未来の世界」を創造しました。

例えば、消費者がサービスを購入する代わりに意識的に所有物を制限する「どこでも自宅」の世界や、消費者がすべての購買品や働く組織に対して自分たちの価値を反映する「廃棄物ゼロ」の世界が創り出されました。

企業は、将来的にどのような消費者に向けた商品やサービスを設計し、どのような人材を雇用するのかを考える必要があります。未来シナリオをテーマに現状をストレステストにかけることで、組織は現在と未来をつなぐ懸け橋の描写に焦点を当て、どのように適応し発展しなければならないかについて偏見を持たずに考えることができます。

2.連携と変革

産業間が連携して、異なる分野や専門性を横断する人材や大量に蓄積されたデータへのアクセスを確保することが求められるでしょう。私たちは競争相手から協力者まで、前提条件を再考するとともに、新しいビジネスモデルとテクノロジー・プラットフォームの開発に共同投資するための準備が必要となります。価値は、横断的な産業において生み出されるでしょう。

この規模の変革は、10年先の投資を優先しながら今日のビジネスを保護し、注意深く進めていく必要があります。不確実性に対応するため、組織には市場の急速な変化に対処できるような機敏な構造と柔軟なビジネスモデルが求められるでしょう。

この変革には、未来の労働力を構築する取り組みも必要です。世界経済フォーラムの「仕事の未来」報告書によると、第四次産業革命がもたらす成長の機会を十分に享受するために、大企業の従業員の54%は大幅な再教育とスキルアップが求められることが分かりました。

3.包摂的な成長を推進するための運営方法に留意

この変革を通じて、組織は多岐にわたる利害関係者に及ぶ影響を考察することが必要です。最終的な収益のみを考えていると、株主はその企業を去ってしまいます。変革が株主、コミュニティ、投資家に与えるインパクトを注意深く監視し、利害関係者や社会に対して長期的な価値をどのように創出するかを示すことが必要となるでしょう。

これは企業の役割に限ったことではありません。グローバリゼーションは経済的発展を推進し、その恩恵を社会全体で享受するものであり、私たちはイノベーションを大規模に実現するために垣根を取り除き、人類の大きな発展を推進しなければなりません。このために、企業は政府と緊密に連携し、社会のニーズに適した規制を進めていくことが求められるのです。

例えば、2025年までに世界のデータ容量は530%増加するという予測があるとおり、私達がより多くのデータを作りだしていくなかで、企業がいかに責任をもってデータを扱い、保護するかを示し、信頼と自信を構築しなければならなくなるでしょう。AIや機械学習に入力されたデータがどのようにテストされ、<アルゴリズム・バイアス>を回避して公正なアウトプットを出せるかを証明しなければなりません。

未来を正確に予測することは難しいことです。しかし、異なった思考と行動を行う意思があれば、確実に未来を形成することができるでしょう。企業が発展するためには、現況にただ保守的になるのではなく、なるべき組織へと変化しなければなりません。政府や国際期間もまた然りです。アイデア、資本、テクノロジー、人材が世界規模で流通する官民連携は、広範囲にわたる持続可能な経済的発展を促進するために極めて重要です。

あなたはどのような未来に向かっていますか?

本記事は著者個人の見解を示すものであり、EYの組織やそのメンバー企業の見解を反映するものではありません。

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