経済成長とファイナンスについて知っておくべきこと〜年次総会2025〜

ダボスで開催される世界経済フォーラム年次総会2025では、経済成長と金融の新たな源泉をどのように見極めるかに焦点を当てたセッションが多数予定されています。
  • 「成長の再構築」は、1月20日から24日までダボスで開催される世界経済フォーラム年次総会2025のサブテーマの一つです。

  • 同会合では、「インテリジェント時代における連携」をテーマに、リーダーたちが一堂に会します。

  • 年次総会開催中の最新情報はこちら。

国際通貨基金(IMF)による最新の「世界経済見通し」では、2025年および2026年の世界経済の成長率は、引き続き3.3%を維持すると予測されています。これは、2000年から2019年までの過去20年間の平均成長率を0.4%ポイント下回る水準です。

また、インフレ率は2025年に4.2%、2026年には3.5%に低下すると予測。これにより中央銀行による金融政策のさらなる正常化が可能になると見込まれ、IMFの経済顧問兼調査局長であるピエール・オリヴィエ・グランシャ氏は、近年の世界的な混乱が終息に向かうであろうと見ています。

2025年の成長とインフレーションの見通し。Image: IMF

これは、世界経済フォーラムによる最新の「チーフエコノミスト・アウトルック」とも一致し、「グローバルな成長は全体的に低迷する見通しだが、地域により大きな差がある」と指摘しています。米国では短期的な景気好転が見込まれる一方、欧州や中国を含む世界経済の他の主要地域においては、来年の見通しはそれほど楽観的ではありません。

成長の回復と再構築は、より強く、レジリエンスの高い経済のために極めて重要であり、ダボスで開催されている、世界経済フォーラム年次総会2025におけるリーダーたちの最優先課題となっています。

多くのセッションでは、新たなグローバル経済における成長の新たな源泉をどのように特定するかに焦点が当てられる予定です。

世界経済フォーラム年次総会2025の主なセッション

以下の時間はすべて中央ヨーロッパ時間(日本時間との時差: JST -8)です。

1月21日(火)

9:30 - The Future of Growth

9:30 - The Geoeconomics of Energy and Materials

11:50 - Finding Growth in Uncertain Times

13:00 - Brazil: More Action Ahead?

13:00 - Demystifying Industrial Policy

15:00 - Back into the Black: How to Ease the Debt Burden?

16:15 - US Economy in 2025

17:30 - Africa's Economy: Young and Fast

17:30 - Leaving Asia's Comfort Zone

1月22日(水)

9:00 - Decoding China's Economy: Present and Future

9:00 - Emerging Economies amid Shocks

11:30 - Can Financial Systems withstand the Next Crisis?

13:15 - Rise of Economic Nationalism

13:15 - Back to Basics: Getting Public Infrastructure Right

15:00 - Is Latin America's Economic Tide Turning?

16:15 - Navigating the Fiscal Squeeze

16:15 - Climate Finance: More Actors More Tools

17:30 - Long View on MENA's Growth

1月23日(木)

10:15 - Stemming Financial Fragmentation

11:30 - India's Economic Blueprint

11:30 - How to Project Europe's Power

15:00 - Big Ideas from Small Economies

1月24日(金)

11:00 - The Global Economic Outlook

知っておきたいレポートと発表

最新の「チーフエコノミスト・アウトルック」では、グローバル経済が大きな圧力を受けていることが明らかになりました。

地域的には明るい兆しが見られる一方、全体的な状況は厳しく、経済の分断化に対する懸念が高まっています。米国の新政権は、幅広い分野、特に貿易において広範囲にわたる政策変更を発表すると予想され、チーフエコノミストたちは、2025年には保護主義的な報復措置のサイクルが起こると予測しています。

経済の低炭素化実現に向けた資金調達は、現代を象徴する課題の一つです。本白書では、気候変動における目標の達成に向けた世界的な取り組みにおいて重要な課題である移行資金のギャップについて、タイムリーに考察。このギャップは、単に資本やビジネスの収益性に関するものではなく、公共政策や制度に関する課題でもあります。

本レポートは、サプライチェーン、ロジスティクス、貿易金融、税関およびコンプライアンスなど、貿易プロセス全体におけるAIの現在の応用例を示し、グローバル貿易におけるAIの変革的役割を説明。国際商取引における効率の向上、持続可能性の促進、包摂性推進の実現におけるAIの可能性を強調するとともに、その課題と利点を明らかにしています。

1月21日:グローバル経済の未来:2030年の生産性(Global Economic Futures: Productivity in 2030)

1月23日:グローバル金融システムの分断への対応(Navigating Global Financial System Fragmentation)

成長の再構築について知っておくべきこと

IMFによれば、成長率はここ数十年で最も低迷しています。多くの先進国においてインフレや金融条件が緩和されるなど、前向きな動きが見られる一方、政治的・経済的な不確実性の高まりが依然として先行きを不透明にしています。

チーフエコノミストたちは、来年の経済見通しを控えめに捉えており、大多数が世界経済の弱まりと経済の分断化の進展を予測しています。

債務レベルもまた、安定性に対する大きな脅威であり続けています。

世界銀行のチーフエコノミストであるインダーミット・ギル氏は、次のように述べています。「2023年末、開発途上国の(公的および私的)総負債はGDPの206%に達しており、2010年の平均の2倍近くに相当します」。

財政および金融ツールの活用が制限される中、より速い成長を促進する新たな方法を見つけるために、政策立案者は創造的でいなければなりません。これが、他の政策分野における進展を解放するために不可欠です。

GDPの成長が必要である一方、それだけでは十分ではありません。世界が直面している経済的課題は、どのように成長を達成するか、そしてそれが他の重要な国家的・国際的優先事項とどれだけ整合するかに関連しています。経済が成長の量と質のバランスをより良く取れるよう再考する、当フォーラムの「成長の未来イニシアチブ(Future of Growth Initiative)」の焦点は、そこにあります。

2024年1月に発表された「成長の未来レポート(Future of Growth Report)」では、グローバル経済は成長の質に関する主要な側面において理想的な軌道の半分しか進んでおらず、約40億人が質の低い成長をもたらしている国々に住んでいることが明らかにされました。

デジタル経済の状況もまた、テクノロジーが世界の成長をどのように支えることができるかを示しています。世界貿易機関(WTO)によると、デジタルサービスの価値は過去20年の間に年平均8%以上成長。2016年までに、デジタル経済の価値はグローバルGDPの15.5%に相当するようになりました。

当フォーラムの「デジタルトレード・イニシアチブ(Digital Trade Initiative)」は、デジタル貿易政策の策定、各国の電子商取引改革、貿易を促進する技術革新を支援しています。

成長の再構築についてさらに知る

過去12か月間に発表された主な出版物

四半期ごとに更新される本レポートでは、成長、インフレ、金融・財政政策の最新見通し、高水準の公的債務がもたらす影響、新たな成長アジェンダの展望など、世界経済の主要なトレンドを探ります。

世界経済フォーラムの最高リスク責任者コミュニティを対象としたこの調査では、今後数ヶ月の間に経済成長を脅かし、地政学的関係をさらに不安定化させ、より広範な事業運営を混乱させる可能性のある、さまざまな世界的リスクに焦点を当てています。

スペーステクノロジーは、世界で最も差し迫ったビジネスおよび社会的課題の多くに取り組むことができます。世界経済フォーラムとマッキンゼー・アンド・カンパニーによる本レポートは、通信、測位、航法、計時、地球観測サービスなどの宇宙関連技術へのアクセス向上と低コスト化により、世界のスペースエコノミーは2023年の6,300億ドルから2035年に1兆8,000億ドルに達する可能性があることを示しています。

グローバル経済における中央銀行の98%以上が、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の研究、試験運用、導入を進めています。こうした進展は、金融機関間のシステム上重要な決済や証券取引を強化するために、中央銀行貨幣のイノベーションを活用する機会を提供します。

License and Republishing
World Economic Forum articles may be republished in accordance with the Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivatives 4.0 International Public License, and in accordance with our Terms of Use. The views expressed in this article are those of the author alone and not the World Economic Forum.