ビル・ゲイツのもとで働き、今は国際保健NGOのCEO

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どうすればジャック・マーやビル・ゲイツのような著名な上司の下で働くことができるのでしょうか。そして、そのような上司から仲間と認められるにはどうしたらいいのでしょうか。現在は国際保健NGOパス(PATH)のCEOであるスティーブ・デイビスは、以前の職場でこうした問いにぶつかりました。

スティーブは1990年代にビル・ゲイツと知り合い、ゲイツが所有するデジタルイメージ会社のコービスでゲイツの弁護士として働き始めた後、同社のCEOに就任。ゲイツ財団はPATHの主要ドナーであることからも、現在も定期的にゲイツと会っています。

同氏は、20年にわたる協力関係を振り返り、著名な起業家兼慈善家に雇われる身から友人になるまでの彼のストーリーを語りながら、今後彼と同じ立場に立つ人達のために、アドバイスをくれました。

1. 良い時も悪い時も一緒にいる

デイビスがコービスに採用されたのは、むしろ「偶然」というべき流れでした。コービスは1989年にビル・ゲイツが設立。当時のCEOは、デイビスを企業弁護士として取締役に招きました(それ以前は若手人権派弁護士として活動)。しかし、その数カ月後にCEOと幹部の多くが同社を去り、この若い会社は存続の危機に晒されたのです。数人のジュニアマネージャーのみが残された状況で、ゲイツはデイビスに暫定的にCEOを務めてくれないかと依頼します。

これを機に、両者の間で長きにわたる協力関係が築かれました。 「彼に会社を継続させる意思を示したことが重要でした」とデイビスは話します。さもなければ、両者の個人的な関係は発展することがなかったのかもしれません。「その後、私たちは共に何度かの困難を潜り抜けました。それは私たちの関係を壊すことにも深めることにもなる出来事でした」と彼は振り返りました。デイビスとゲイツの場合は、こうした出来事を通して家族ぐるみの付き合いに進展し、共に難局を乗り越え、お互いの関係性を深めていくきっかけになったのです。「これは、多くの創業者とCEOの関係に当てはまることです」デイビスは話します。

2. 正直な姿勢と学習能力

CEOに就任後、「過度に期待を与えないためには自分を飾らず、そして、期待を裏切らないためには求められる知識や能力をより早く習得することが重要」だと考えたデイビスは、 「私は技術者ではないと(ゲイツに)伝えました。損益計算書が何かさえも知らず、それを率直に話したうえで、これから学んでいくことができると伝えたのです」。デイビスは別の重要な成功要因についても語りました。「何ができて何ができないかを明確にしなければいけません。そして、できることから始めることが重要です」。デイビスはそれから年月をかけ、ビジネスの世界について学び、最終的には長年にわたってCEOを務めることとなったのです。

3. 責任を分散すること

創業者、成功した実業家、あるいはその人自身がブランドになるような人物である場合、その役割を他の誰かに任せることは難しいでしょう。結局のところ、成功は自分自身の努力と才能から導かれるものなのかもしれません。しかし、最も身近な協力者から学び、責任を分散することも重要です。「自分の役割を明確に理解することは本当に重要なことです」デイビスは続けます。「会長や創業者が偉大な人物であるためにCEOが力を発揮できないのであれば、協力関係はうまく機能しません」。

デイビスとゲイツは互いの役割を明確に分けました。誰かに話をする際には、ゲイツが方針を定めて大きなトレンドやテーマについて話し、デイビスは特定の経営事項について説明します。お互いの会話においても、デイビスは自分が抱える経営課題のすべてを相談しませんでした。「全て説明するよりも、いくつかの課題について深く掘り下げた方がよいのです」と述べています。

4. 互いを仲間と認め合う方法を見つける

時間が経つにつれて、デイビスとゲイツは互いを仲間としてみるようになりました。デイビスによると、その根本には「私たちは、私たちが住む世界の仲間」という考えがあります。「いつの時点からか人は『自分には自分なりの考え方があり、それが誰かと比べて劣っているということではない』と気づきます。もちろん、2人の判断が異なることもあります。ゲイツはコンピューターに、デイビスは人権や中国にとそれぞれの関心が異なりますが、それがどちらかが劣っているという理由にはならないのです。「私は自分が価値をもたらしている人間だと思います。それ故に、私自身が価値のある人間と言えます」とデイビスは話しました。

デイビスとゲイツは、コービス時代から長い時間が経過した現在でも連絡を取り合っています。数年前から、デイビスは再び自身の関心分野である人権や開発問題について取り組むプロジェクトに携わっています。保健分野の国際NGOであるPATHのCEOとして、官民の協力で創出する革新的な治療法や診断法を通じて(文字通り)世界の疾患治療に貢献する活動を進めています。また、周知のとおり、ゲイツ夫妻も「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」を設立して同様の道を歩んでいます。現在、同財団はPATHの重要なドナーであり、ゲイツとデイビスは公私ともに交流を深めています。

2人はお互いのアイデアを交換し、時には本を薦めあうこともあります。「私たちはお互いに多くの本を読みますが、同じ種類の本は読みません。彼はノンフィクションや技術書、私は小説や歴史、伝記を多く読みます」とデイビスは言います。デイビスが話すとゲイツは聞き手に回ります。「ビルは強烈な個性の持ち主ですが、聞き上手でもあります」。「学ぶことは常に多くあります。私は他人から学び、その他人は私から学ぶことができるのです。こうした姿勢が私たちの友情を支えているのです」。

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