製造業で技術と人材を活かすには〜グローバル・ライトハウス・ネットワークに学ぶ〜

生産性の最適化とグローバルな労働力の幸福度向上に取り組むグローバル・ライトハウス・ネットワーク。
生産性の最適化とグローバルな労働力の幸福度向上に取り組むグローバル・ライトハウス・ネットワーク。Image: Photo by Testalize.me on Unsplash
  • 進化し続ける製造とバリューチェーンの世界において、世界経済フォーラムのグローバル・ライトハウス・ネットワークは、技術革新の道標となっています。

  • ライトハウスは、テクノロジーのパイオニアであり、労働力を活用して重要な変革を推進するリーダーです。

  • この変革の取り組みへの参加方法を提示します。

進化し続ける製造とバリューチェーンの世界において、世界経済フォーラムのグローバル・ライトハウス・ネットワークは、技術革新の道標となっています。過去6年間、同ネットワークは、デジタル・トランスフォーメーションに関する153にのぼる素晴らしいエピソードを振り返り、最も先進的な組織がそれぞれの業界をどう再定義しているかを紹介。

ライトハウスの認定メンバーを対象に2023年に実施した調査では、興味深い共通点が浮き上がりました。技術と人材の相互作用にフォーカスすることが、成功と深く関わっているということです。パフォーマンス向上のための技術革新に加え、ライトハウスは、ビジネスと人材に付加価値をもたらすことを目的とした人材革新も展開しています。ライトハウスは、テクノロジーのパイオニアであることに加え、従業員の潜在能力を活用して有意義な変革を推進するリーダーでもあるのです。

ここでは、グローバル・ライトハウス・ネットワークから得られた知見を掘り下げ、次なるフロンティアとして、ワークフォース・イネーブルメントを根幹として企業と従業員へ向けたより望ましい価値提案を達成することを強調する新たな段階を提案します。

テクノロジーを超えて: ワークフォース・エンパワーメントの重要な役割

グローバル・ライトハウス・ネットワーク(GLN)アワード受賞者を対象とした最近の調査では、提出された383のユースケースを検証。デジタルユースケースにとどまらず、パフォーマンスの促進に役立った共通点を探りました。(図表1参照)

図表1:ワークフォースの優先事項をサポートするためにライトハウスが導入したデジタルユースケース

提出されたユースケースを検証したところ、ライトハウスの最大75%が人材に特別な重点を置き、デジタルトランスフォーメーションの取り組みにおいて人材育成が極めて重要な要素であると述べています。高度な、もしくは発展中のユースケースのうち、56%は生産性向上を推進するためのスキルアップとテクノロジーの導入に、残りはワーカー・エクスペリエンスを通した安定性の向上と作業現場における安全性の改善に重点を置いていました。こうした努力により、ライトハウスは付加価値のない作業を平均して15~20%削減し、設備全体の効率(OEE)を5~10%向上させています。

第一線で活躍する人材関連の他のリーダーたちと同様、ライトハウスもこれらの取り組みにおいて人材に関する課題に直面しました。(図表2参照)

図表2 ライトハウスが直面する人材課題

回答者の半数以上が、人材の定着と労働力不足に直面していると回答し、大多数が、適切なスキルと工場でのニーズのマッチングの難しさを訴えています。

ライトハウスコミュニティは、人材能力の構築により戦略的優位性の確立が可能であることを証明しました。しかし、多くのリーダーは、効果的な人材戦略をどう立てるべきかを理解しきれていない状況です。

人材の構成要素を理解する

過去6ヶ月間にわたり、世界経済フォーラムのアドバンスド・マニュファクチャリングとバリューチェーン部門とマッキンゼー社は合同で、ライトハウスの組織やその他の人材リーダーの協力のもと、雇用主が緊急な課題を解決するために展開するイノベーションに関する調査を行いました。本調査では、さまざまな地域、業種、企業規模を網羅する知見を収集し、5つの主要領域におけるデジタルおよび非デジタルのイノベーションを特定しています。

1. ワークデザイン

人材の根本的な職務を変えるイノベーション(例:無人搬送車、自動倉庫、ダークストア)。

2. 人材計画

目標を達成するために必要な人材供給を特定する組織能力を支援するイノベーション(例:人材S&OP、スキルマトリックス)。

3. 人材誘致

組織のパイプラインに潜在的な才能を創出、育成、応用することを支援するイノベーション(早期介入プログラム、正式な実習制度など)。

4. スキリングとスキルアップ

オンボーディングからオフボーディングまで、個人のトレーニングや再トレーニングを支援するイノベーション(例:大学とのパートナーシップ、ノースキル・パスウェイ、COEのトレーニング)。

5. 人財管理と定着

人材と仕事との関わり方を変えるイノベーション、もしくは全体的な人材の定着を促進するイノベーション(例:AR、変則シフト制、業績報奨制度)。

このイニシアチブでは現在までに、さまざまな領域でパフォーマンスを向上させ、より安全かつ熱心で、高パフォーマンスの労働力を可能にする、40以上の人材革新を特定しました。これらのイノベーションは、企業を率いるリーダーたちが、以下を含む様々な成果に対して影響を及ぼすことができることを示しています:

生産性の向上: 特定の人材革新がどのように生産高と効率化につながるか。

定着率:人材革新が従業員の満足度と定着率に与える影響。

スキル開発: スキルギャップを埋め、継続的な学習を促進するための効果的な方法。

業務パフォーマンス: 設備全体の効率、顧客サービスレベル、製品品質、労働効率、その他の重要な業務指標の改善

次世代の人材イノベーションを形づくる

フロントライン・タレント・オブ・ザ・フューチャーは、労働力の潜在能力を引き出し、実質的な価値をもたらすイノベーションを特定するために設立されました。目的は、業務パフォーマンスの大幅な改善を推進する、影響力と実績を兼ね備えた、スケーラブルな人材革新を発見し、共有すること。年間を通じて継続的に、最もインパクトのある人材革新戦略や同コミュニティ内のイノベーションを特定し、共有していく予定です。

読者の皆様もぜひ、多くの方々にこの変革の取り組みにご参加いただきたいと願っています。そうすることで、人材に関するご自身の取り組みを前進させる新たなアイデアを得ることができ、また、非常に効果的な人材革新構築における個々の経験から周りの人々が学ぶ手助けにもなります。

さらなる詳細及び参加方法は、フロントライン・タレント・オブ・ザ・フューチャー・イニシアチブのウェブページからご確認いただき、製造業において労働力を解き放ち、よりインパクトのある変革を実現するため、共に力を合わせることを期待しています。

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