世界初、カーボンニュートラルなチーズが英国で誕生

世界初、カーボンニュートラルなチーズが英国で誕生
世界初、カーボンニュートラルなチーズが英国で誕生Image: Unsplash/Azzedine Rouichi

牛のげっぷに含まれるメタンが気候変動のひとつの原因になっている──肉や乳製品を食べようとしたとき、ふと頭をよぎる。楽しく食事をしようと思っただけなのに、ほんの少しだけ罪悪感に駆られた瞬間がある人もいるかもしれない。

そんな方に紹介したいのが、食べるときに罪悪感を感じなくて済む、環境にとびきりやさしいチーズだ。英国・サマセットのチーズメーカーWyke Farmsの「Ivy’s Reserve Vintage Cheddar」は、世界初のカーボンニュートラル認証を受けたチェダーチーズである。

Image: Wyke Farms

Wyke Farmsでは、2010年から農場のグリーン化を進めている。CO2排出量削減のため、飼料、土地管理、エネルギー利用、再生農業、土壌保護の持続可能性計画とインセンティブ プログラムを実施しており、これらの取り組みにより、牛乳1リットルあたりのCO2排出量は全国平均よりも20%下回るものになっているという。

Ivy’s Reserveの製造においては、廃棄物と包装の最小化や、熱回収、廃水のろ過・再利用、CO2排出量削減などを実施。製造に使用する電気とガスは、Wyke Farms自身の太陽光発電と、農場や乳製品の廃棄物から生成されたバイオガスから供給される。こうした取り組みにより、ネットゼロ製造を実現しているのだ。

さらに、Wyke Farmsは渓谷を流れるブルー川周辺の田園地帯を保護するため、未耕作地に野草を植えたり、植樹を行ったり、バードボックスや昆虫のホテルを設置したりと積極的な取り組みを行っている。

ただ、100%エコを目指すうえで苦労している点もあるのだという。Wyke FarmsのマネージングディレクターRich Clothierは、INHABITATの取材に対し、現在Ivy’s Reserveのパッケージがリサイクルできないことを課題として挙げた。チーズの場合、腐敗や食品ロスを防ぐためのバリアフィルムが必要となるが、リサイクル可能な素材での代替策がまだ見つけられていないのだそうだ。「できるだけ早く100%リサイクル可能なパッケージのソリューションを見つけられるよう努力しています」とRich Clothierは語っていた。今後、この点がどのように解決されるかにも注目が集まる。

Ivy’s Reserveは、わずかに甘く、ナッツのような複雑な風味がするという。環境にとびきり優しい方法で作られたチーズのギルティーフリーな味わいをぜひ一度体感してみたいものである。

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