需要増が予測される職種とそれに必要なスキルとは~仕事の未来レポート2025~

「仕事の未来レポート2025」により、グローバル労働市場が再編されつつあることが明らかになりました。Image: Unsplash/Scott Graham
  • 世界経済フォーラムの「仕事の未来レポート2025」によると、2030年までに約1億7000万の新しい雇用が創出される見込みです。

  • 本レポートには、労働市場の変化を促す世界的なマクロトレンドが示されています。

  • ここでは、需要の増加が予測される職種と、未来に向けて労働者が身につけるべきスキルを示します。

世界的なマクロトレンドにより、今世紀には約1億7000万の新たな雇用が創出されるでしょう。これは、今後5年間の働き方の未来について掘り下げた、世界経済フォーラムの新しいレポートによる見方です。

「仕事の未来レポート2025」によると、テクノロジーの開発、グリーン転換、経済および人口動態の変化に後押しされ、グローバルな労働市場が再編成されていることが分かりました。

新たに創出される雇用は、現在の雇用数の14%に相当。一方ではこれに伴い、9,200万の雇用が失われることになります。つまり、差し引きで7,800万の雇用の純増が予想されています。

では、増加するのはどのような仕事でしょうか。また、それらの仕事に就くために必要なスキルとはどのようなものでしょうか。

それを知るために、同レポートでは、22の産業クラスターを代表する1,000社以上のグローバル規模の雇用主および1,400万人以上の労働者を対象に調査を行いました。

今後5年間で、1億7,000万の雇用が創出されると予測されています。Image: 世界経済フォーラム

「未来の仕事」トップ5

一部の職種は急速に成長しています。割合としては、AIなどのテクノロジーの進歩が主導する役割に対する需要が急速に増加。これには、ビッグデータの専門家、フィンテックエンジニア、AIおよび機械学習の専門家などが含まれます。

しかし、絶対数についてはどうでしょうか。調査対象企業の予測と国際労働機関の雇用データを組み合わせたこのレポートでは、最も大きな純増減が見込まれる15の職業がリストアップされています。

最も成長が期待される職種は、多くの経済の根幹を担う役割が中心となっています。

リストのトップは農業従事者です。炭素排出量の削減や気候危機への適応に向けた取り組みを含む「グリーン転換」のトレンドが成長を促進し、現在の2億人の農業従事者に加えて、2030年までに3,400万の新たな雇用を生み出すでしょう。デジタルアクセスの拡大や生活費の上昇も、この職種の成長に寄与しています。

これに続いて、配達ドライバー、ソフトウェア開発者、建築作業員、店舗販売員が上位5職種を占めています。

食品加工作業員も最も成長が著しい職種の一つ。また、看護士、ソーシャルワーカー、カウンセラーなどのケア関連職種も今後5年間で大幅な成長が見込まれています。これは人口動態の傾向、特に生産年齢人口の高齢化によるものであるとレポートは述べています。

最も成長が著しい職種のトップは、農業従事者です。Image: 世界経済フォーラム

労働者に必要なスキル

雇用主は、2030年までに労働市場で必要とされる主要スキルの39%が変化すると予測しています。この数値は大きな混乱を表していますが、2023年の44%からは減少しています。継続的な学習、リスキリングとアップスキリング(技能向上)、スキル転換プログラムへの注目が高まっていることで、企業は将来のスキル要件をより適切に予測し、管理できるようになっていると、2025年の雇用に関するレポートは述べています。

今後5年間で、テクノロジー関連のスキルが他のスキルよりも急速に重要性を増すことが予測。AIとビッグデータがトップに挙げられ、ネットワーク、サイバーセキュリティ、テクノロジーリテラシーが続きます。

創造的思考やレジリエンス、柔軟性、アジリティも重要性を増しており、好奇心や生涯学習も同様です。

上昇傾向にあるスキルトップ10には、リーダーシップや社会的影響力、人材管理、分析的思考、環境管理などがあります。

レポートによると、企業は、進化する需要に労働力を適合させるために、リスキリングおよびアップスキリングプログラムへの投資を増加させています。世界経済フォーラムのニューエコノミーとソサエティ部門は、各国政府、企業、アカデミアと協力し、雇用イニシアチブやリスキリング革命などのプラットフォームを通じて、世界中の人々が明日の経済に備えられるよう支援しています。

働き方の未来がさらに進化を続ける中、労働者がテクノロジー・スキルとヒューマン・スキルをバランス良く組み合わせて習得できるよう支援することが不可欠となるでしょう。

License and Republishing
World Economic Forum articles may be republished in accordance with the Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivatives 4.0 International Public License, and in accordance with our Terms of Use. The views expressed in this article are those of the author alone and not the World Economic Forum.